社会からこぼれ落ち、ハリネズミのようになった子供たち。過去の経歴がある以上、変わろうと努力しても理解してもらえないのか?
児童養護施設に預けられている子供たちの多くは、壊れた大人のせいで心に傷を負い、裁判所や役所の社会福祉課の手配によって、この場所に連れられてくる……。
無口だが繊細な内面を持つアービンは間もなく施設を卒業する。将来に不安を抱えながらも、新たな生活の始まりを静かに待ち受けている。
そんなとき、別の少年のウサギのキーホルダーが突然なくなり、疑いをかけられる。学校の悪意、同級生の邪推。過去の経歴から一度レッテルを貼られると、変わろうと努力しても理解してもらえない。アービンはどうすればいいのか?異常な家庭に生まれ、普通な日常を送ることができなくなった子供を、現代の社会ネットワークで本当に受け止められるのか?
本作は著名作家、文国士(ウェン・グオスー)の『走過愛的蛮荒』(愛の荒野を通り抜け)のリメイク作品。仏アングレームに滞在する異色の漫画家GGDOG(ジージードッグ)が児童養護施設で綿密な取材を重ね、冷静なスタイルで子供たちのストーリーを再解釈する。
間もなく児童養護施設を卒業する少年。将来に不安を抱えている。見た目は冷たいが、心は素直。趣味はラジオを聞くことと手紙を書くこと。
手首にリストカットの跡がある少年。母親にもらったウサギのキーホルダーを大切にしている。
養護施設の教員。子供たちのことを気にかけている。アービンをドライブに連れていくのが好き。
養護施設の教員。交代で子供たちの面倒を見ている。子供たちとの関わり方を勉強中。