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月の名前 (月亮的名字)

狼七(ランチー)
蓋亜文化
名前は万物の認識手段であり存在の証でもある──日本統治時代から現代に至る旅の中で、創作者の名前のない所蔵品が芸術史に位置づけられる。
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あらすじ

この島の原住民は、木の彫刻により伝承を記録していた。作品に彫り込まれたのは、彼らの命である。しかし、作者の名前は、もう忘れ去られている。

博物館に勤める女性が所蔵のある彫刻品に神秘的な魅力を感じ取る。遠い過去からの呼びかけを聞き、山中の月明かりを目にした彼女は、名前のない作品の身元を調べる旅に出る。

木彫りアートに異常なほど鋭い感性を持つ彼女と、才能にあふれながらもステレオタイプのレッテルを貼られてしまう原住民の彫刻師。日本統治時代から未だに果たされていない約束が二人を出会わせ、あの名もなき彫刻品の作者も明かされていく。

台湾ゴールデンコミック賞(金漫獎)年度漫画大賞を受賞した狼七(ランチー)が国立台湾史前文化博物館の協力のもと、台湾芸術史に埋もれた原住民の芸術作品を、漫画を通じて再発掘する。

登場人物

  • 梁黛(リャン・タイ)

    梁黛(リャン・タイ)

    ニックネームはタイちゃん。芸術史専攻。新社会人の博物館研究員。正義感、芸術的感性が強く、仕事にプライドがある。

  • 劉信峰(リュウ・シンフォン)

    劉信峰(リュウ・シンフォン)

    ニックネームはアーフォン。原住民の木彫り彫刻師。才能豊かだが、世間を嫌っている。レッテルを貼られたくないため身分を隠している。その正体は有名芸術家のP。

作者

狼七(ランチー)

フリーのクリエイター。世の中の神秘的なものに関心がある。漫画を通じて地域の日常を再解釈し、新たな可能性を生み出したいと願っている。

2022年に『湧と浪:自由中国号』で第13回台湾ゴールデンコミック賞(金漫獎)年度漫画大賞を受賞。

© July/National Museum of Prehistory/Gaea Books