本作は台湾のベストセラー連作小説『おはしさま 連鎖する怪談(筷:怪談競演奇物語)』(日本含め各国発売中とドラマ化決定)に収録された短編「珊瑚の骨」を原作とする。台北国際ブックフェアノミネート作家の薛西斯と、新人漫画家鸚鵡洲がタッグを組み、推理と霊異、台湾の民俗と幻想の要素を複合させていく。道士と探偵の二つの顔を持ち、手遊び好きで死後の世界を見る能力を持ち、守銭奴という毒舌青年海鱗子が様々な奇妙な事件を解決していく。
人気の多い公園にある小廟と湖で次々に発見される遺体。人々は水鬼のしわざだと噂し、供物を捧げる。人間と霊の関係を知悉し謎に包まれた若い道士は、警察の依頼を受け調査に乗り出す。彼の目には、これらの事件の背後にある異なる「真実」が映し出されている……
本作品は社会性や推理性だけでなく、人情味も持つ。シリーズ第一話は社会問題に、続編の第二話は東西本願寺の物語を基づく。また本作では若者の仲間意識や台湾の歴史、日台関係などにも触れられる。娯楽的でありながら、頭を悩ますサスペンスや除霊バトル、複雑な人間関係などが織り込まれ、ついには探偵のライバルも登場し、読者をハラハラ・ドキドキさせる。
「一見不思議だと思える出来事も、単にいくつかの出来事が見えなくなっているだけなのです」が口癖。道士でありながら、御札を書くことができず、死後の世界を見ることができるにも関わらず神を信じない。普段は手遊びや電子ペット遊びに精を出し、除霊の仕事をするときだけ社会に貢献している。金に目がなく毒舌なところがあるが、子どもなどには心優しい側面も見せる。
警察官で、海鱗子の助手のような存在。いつも不思議な事件を海鱗子に持ち込み、解決を依頼する。性格は純真で明朗、からかわれやすい。死後の世界を見られるわけがなく、ただの真面目な一般人