台湾の伝統民俗文化「陣頭」を基礎に、元々はまった関係を持たない二人が、神の導きを得て事件を解決する物語。
「陣頭」とは台湾の伝統民俗文化で、新荘地蔵庵に由来する官将首は、神を迎える行事において神輿に随行し、主神を護り、邪神を鎮めることを役目とする神に仕える将軍を指す。熱血刑事の鄒博安は事件を捜査中に殺害され、その魂が張勇の彼女である李正儀の体に取り憑く。張勇は陣頭において神に仕える官将首を演じている。自身が持つ体質により、他の人が見ることが出来ない鄒博安を見ることができる。彼は李正儀の体に乗り移り、死ぬ前に収集した証拠を探そう試み、張勇は彼女を守るために博安にしぶしぶ協力する。
その過程で二人はそれぞれに迷いを抱えていく。鄒博安はふりかかった突然の死に恐怖を覚え、内心では事件を解決することができない死後の世界を恐れる。一方、張勇は年老いた祖母を心配し、夢を追うため家から遠く離れることができず、また彼女が霊に取り憑かれるというトラブルに巻き込まれる。当初こそしぶしぶ協力していた二人は、しだいに互いに理解し、相手の悩みにも共感を覚えるようになる。
それぞれに内心の恐怖を隠しつつ、息の合ったコンビとして事件解決へと近づいていく。しかし、張勇が犯人に狙われ始め、迫り来る危険に直面する。二人は協力して警察と犯人の癒着を暴き、殺人事件の真相をついに明らかにする。
二人は自分自身を信じることで力を得られることを悟る。「神はあなたが迷っているそのとき、正しい人をあなたのもとへ送り、そっと背中を押してくれる」。神を迎える行事のさなか、神仏の導きを探しながら、張勇は神が自身の代わりに決定することはないこと、すべては自分次第だという気づきを得て、前進することを決意する。鄒博安もまた穏やかに黄泉へと旅立つ。
23歳、李正儀とは幼なじみの恋人で、陣頭では神に仕える官将首を演じる。身体能力が高い。大学卒業後は自分の人生について思い悩んでいる。
25歳、刑事。性格は衝動的で孤独を好み、常にメモを取る癖がある。任務中に殺害され、張勇の彼女に憑依する。
24歳、劇団の俳優。張勇とは幼なじみで親戚同士。しかし、この関係に疑問を持ち、神に誓うことで自分の恋愛に対する勇気を固めている。何故か鄒博安に憑依される。
張勇の幼なじみで、陣頭教練の息子。暴力団の手先として使われ、鄒博安をおびき寄せる餌となる。
張勇の祖母で、彼女に育てられた。お祈りを好み、神を信じ、仏縁にすがる。楽観的で明るい性格。