どんな仕事も長続きしないチャラ男の紀松廷の新しい仕事は、なんと都会の喧騒から遠く離れ、台湾の緑豊かで活気に満ちた山林へ分け入る森林管理員だった。松廷は森林管理員のしごとを、山に登って山林を巡回し、記録をつける気楽な仕事だと考えていた。
こうした態度を見た同僚の林柏杳は松廷に「ここでの仕事は君みたいな人がやるべきことじゃない」と警告し、紀松廷は怒り、悩むが、林柏杳の勤務態度には敬服せざるをえない。そんななか、松廷は遭難した登山客の救援活動時に滑落、負傷して実家へ送り返される。家族や友人の新しい仕事へのネガティブなイメージを耳にするうち、松廷の心には「辞めたほうがいいのかもしれない?」との思いが湧き上がる。
しかし彼に救助された登山客の感謝と励ましを受け、またそっけない態度を取った林柏杳も松廷の仕事姿勢を目の当たりにして態度を改めるなか、松廷はこの仕事に留まることを決意する。折しも遭遇した森林火災事件では、柏杳の思いを知り、同僚との距離を縮めることに成功する。また密伐採者の逮捕にむけ、また新たな困難に遭遇する。紀松廷はこうした森林管理員の仕事の苦しみも楽しみも、立派な管理員になるために必要なプロセスであることを受け入れ、ついに自分の居場所を見つけ出す。
髪を染め耳にピアスのシティボーイ。情動的で飽き性、その性格ゆえに過去の仕事は長続きせず、母親のすすめで森林管理員の試験を受験する
紀松廷の一年先輩。性格はそっけないが、仕事に真摯すぎるがゆえに、不真面目に見える紀松廷に対し忌避感を示す