将来に悩む美大生・穆子航が海辺で気を紛らわせていたところ、偶然海岸に取り残されたウミガメを見つける。ウミガメを助け出そうとしたところ大波に取り込まれ、死を覚悟したところ、ミステリアスな銀髪の少年に助け出され、海底の「ネレウスの事務所」へと導かれる。
ネレウスの事務所は、海の生き物のあらゆる悩みを解決する場所だった。事務所で子航は、可愛くて気まぐれなヤドカリ、恥ずかしがり屋のイカ、心の広い老ウミガメなど、明るい性格の海の生き物にたくさん出会う。子航と海の生き物たちは仲良くなり、ネレウスの事務所で一年間のワーキングホリデーとして働くことを決意する。
事務所でのバイト中、生き物たちから多くの啓発を得た子航は、未知の未来が恐ろしいものではあるものの、無限の可能性を持つこと、たとえば海流に乗ってさまざまな場所へ流れ着くサンゴの卵のように、彷徨うことそれ自体は決して失敗ではなく、すべての旅にそれぞれ意味があること、生きること自体が祝うべき価値のある旅路であることに気がつく。
美大生。未来に思い悩む。思いがけずネレウスの事務所へとたどり着き、絵を描くことの初心を取り戻し、前に進む勇気を得る。
ネレウスの事務所の主人。どことなく神秘的な雰囲気を持つ。