舞台は1930年代の台湾。自由と自治を標榜する当時唯一の高等学校、台北高校の宿舎「七星寮」にイエ・シンチャオはやって来た。難関中の難関校である台北高校に合格し、医者になってほしいという家族の期待を背負っていたシンチャオは、読書好きで自由奔放、授業をサボりすぎて退学の危機に陥るほどの問題児・南城雲太郎とルームメイトになる。
生活背景も性格も大きく異なる二人だが、親友となり、自由と知性の揺りかごで悩みと憧れに満ちた青春生活を共に過ごす。ある日、雲太郎は「今の『翔風』は型にはまり過ぎていてダメだ。自分たちの雑誌を作ろう!」と言い出す。
台北高校の歴史、建築、制服などを史料から緻密に調べ上げた漫画家の左萱が、繊細なタッチで当時の部活動や敝衣破帽、学生たちの生き生きとした姿など、魅力ある日常を描いた作品。
勉学に励んで台北高校に合格したものの、学校生活に慣れず戸惑う。帝大の医学部生になってほしいという家族の期待から理系を選択したが、進路について自身の考えを持っている。真面目で創作好き。
イエ・シンチャオの寮メイト。制服をきちんと着たがらない。自由奔放な性格で、校内でも変人扱いされている。授業をサボりすぎて退学の危機に陥る。あらゆる分野の本を読む多読家でもあり、型にはまらない雑誌を作ろうと言い出す。日本人だが台湾語のスラングをよく使う。