4 章にわたる台湾の鉄道と駅の物語。
【第1楽章 春光に送られてきたハガキ】
春の穏やかな日に、流暢な筆跡で書かれた民宿の広告ハガキが届き阿杰(アジエ)は思わず返信を出してしまう。後悔した彼は「愚行」が見つかるのを食い止めようと民宿に出かけた。オーナー日安(ルーアン)の笑顔が阿杰の心の中に入り込み…
【第2楽章 夏風にそよぐウェディングドレス】
内湾線の車両で真っ白なウェディングドレスを着た若い女性が必死に走っている。ハイヒールのかかとが折れた瞬間、制服を着こなした背の高い人物の胸元に飛び込んだ…廖春生と李秋芬は、ジンジャーリリーの香りが漂う夏の日に出会ったのだった…
【第3楽章 秋雨に奏でるワルツ】
秋雨の中、七十歳を過ぎた清明おじいさんは駅員の制服を着て、無人駅となったホームで一心に列車の発着合図をしていた。かつての列車に乗り込んでいるかのようだった。そして、ずっとそこに佇み…
【第4楽章 冬の旅人の物語ノート】
文学創作の夢をあきらめきれない「カタツムリ」先生は、子供を連れて別れたいという妻の決心を覆す事はできなかった。空港でこっそり娘を見るのが精一杯だった。冬の日、次の目的地へ旅立ち、居場所を探そうとする…
仕事では「頼まれれば嫌とは言わない」をモットーとしたITオタク。片思いしている女性の同僚がもうすぐ結婚するのを知った。そんな時、ちょうど届いた一通の広告ハガキに思わず返事を出した…
以前は旅行カメラマンだった。父親が亡くなったため故郷に戻って民宿を引き継ぎ、おばあさんの世話をしている。今もカメラでその瞬間を切り取り、記録し続けている。