台湾美術が華やかに陽の光を浴び始めた昭和の時代に、台湾の洋画家の大家である楊佐三郎は少年時代を過ごした。台北の大稻埕の街角にある珈琲店から身を起こし、画家になる夢を持つ少年は自分の能力に自信を持っていたが、第五回台湾展覧会で落選してしまう。兄からのアドバイスに目を覚まし、楊佐三郎はフランスで自分の絵画の価値を確かめようと決心する。
芸術の都、パリ。楊佐三郎は異なる視野を広げる。「ここでは、人々は思いきり芸術を楽しんでいる」。台湾では感じた事のない開放的な雰囲気の中、文化と美に対して知識と理解を急激に深めていく。漫画家HOMは、物語を通して、少年の楊佐三郎が挫折の中、どのようにパリで学ぶことにし、台湾の洋画家の大家となっていったかを描いた。芸術を探求する旅もロマンチックに展開される。
本作は真実と虚構を融合し、漫画というツールで台湾の代表的な洋画家である楊三郎を異なった視点から描い、楊三郎の生命を表現した。より多くの人に台湾美術史における重要な画家を知ってもらう機会になるだろう。
画家になる夢を持った少年が、第五回台湾展覧会で落選してしまう。兄が現実を直視するよう警告した一言をきっかけに、自分の絵画の価値を試してみたいと遠くフランスへ旅立って、美と文化への理解に衝撃を受け、油絵の大家となっていく。