台北の都市で懸命に生きるOL、一人で料理を楽しむ独身女性、夜の街中で猫にエサをやる人、10歳以上も離れた1日だけのカップル──。台北という都市の日常を1980年代生まれの女性の視点から半自伝的に描いた『しばらくこのままで』。一見平凡で何気ない言葉のやり取りからは、都会の疎外感とそれとの向き合い方、都会に住む女性特有の口調が伝わってくる。学校、夢、恋愛、仕事、家庭など、それぞれの理由で台北にとどまりながらも、その時その時は「しばらくこのままで」と思っているだけなのかもしれない女性たち。この街の一時的な滞在者であり主役でもある彼女たちを描く。
第8章 Dating
村上春樹の短編『32歳のデイトリッパー』をアレンジ。お互いに恋人を持ち、普段は接点がなく、相手のことに興味はないが、一緒にいたい時には1日だけのパートナーになる。20歳近くも離れたそんな二人の女性の物語。
恋人がいるが、普段は接点も興味もない女子大生と時々1日を共にする。
男女を問わず、付き合う相手はコロコロ変わる。全く興味のないOLとの関係に満足している。